カテゴリー: 姿勢・デスクワーク

座り姿勢、猫背、長時間のパソコン作業とのつきあい方

  • 座りっぱなしの日の、1分リセット|座りっぱなしで腰が痛くなる理由と、何分ごとに立つかの目安

    座りっぱなしの日の、1分リセット|座りっぱなしで腰が痛くなる理由と、何分ごとに立つかの目安

    気づいたら、2時間座りっぱなしだった。

    集中していると、よくあることだと思います。でも、この「気づいたら」が、実は一番のポイントです。

    座りっぱなしで腰が痛くなるのは、腰そのものより、座る姿勢を支えている腰まわり・お尻・太ももの裏が、休むタイミングのないまま働き続けてこわばるからです。だから対策もシンプルで、こまめに立って、働き続けている場所をいったん休ませること。毎日の座りっぱなしでこわばりが溜まると、ほぐしてもまた同じように腰が張ってくる、という形でくり返しやすくなります。

    「座りっぱなしは何分まで?」「何分ごとに立てばいい?」と聞かれたら、目安は30分〜1時間に一度、立つか体を動かすことです。立つ時間は1分ほどで十分。ただ、時間を守ることより大事なのは、座りっぱなしに「気づくこと」だと考えています。

    この記事でお伝えすること

    • 座りっぱなしで腰が痛くなるのは、腰を支える「周り」が働き続けているから
    • 座りっぱなしは何分まで? 目安は30分〜1時間に一度、1分ほど立つこと
    • 座りっぱなしで問題なのは、時間の長さより「気づかないこと」
    • 大きく動く必要はなく、1分でできることで十分
    • タイミングは「思い出したとき」でいい
    • 今日からできる、1分リセットの具体的なやり方

    座りっぱなしで腰が痛くなるのはなぜ? 腰を支える「周り」が働き続けているから

    座っているあいだ、体は何もしていないように見えます。でも実際には、上半身の重さを支えるために、腰まわり・お尻・太ももの裏・背中が、ずっと小さく働き続けています。立っているときのように体重が足に分かれないぶん、骨盤のまわりに負担が集まりやすいのです。

    • 同じ場所が休めない:姿勢が変わらないので、同じところばかり使われ続ける
    • お尻と太ももの裏が固まる:座面に押されたまま動かないので、こわばりやすい
    • 猫背や反り腰で偏る:楽な姿勢に寄るほど、どこか一部に負担がかたよる

    メグルで施術をしていると、座り仕事が続いた日に来られた方は、腰そのものより、お尻や太ももの裏、背中のあたりが固くなっていることが少なくありません。ご本人は「腰がつらい」と感じていても、実際に長く働かされていたのは、座る姿勢を支えていた周りの場所だった、ということもよくあります。腰だけをもんでもすぐ張りが戻ってくるのは、この「周り」が固いまま残っているから、ということもあります。この見方は「痛いところだけ触っても戻るのはなぜ」でくわしくお伝えしています。

    なお、足にしびれや響くような痛みがある、じっとしていても痛む、日に日に強くなるといった場合は、座り方の問題だけではないこともあります。まずは医療機関にご相談ください。

    座りっぱなしは何分まで? 目安は「30分〜1時間に一度、1分立つ」

    結論から言うと、「ここまでなら大丈夫」という決まった分数はありません。体の状態や座り方で、こわばりやすさは人それぞれだからです。そのうえで、よく目安として言われるのが「30分〜1時間に一度は立つか、体を動かす」というものです。

    • 何分ごとに?:30分〜1時間に一度を目安に
    • 何分立つ?:長くなくていい。1分ほど立って、息を吐くだけでも十分
    • 2時間以上続けて座っていたら、それは「気づいていなかった」サイン

    座りっぱなしで腰が痛くなる方ほど、この「1分立つ」がお尻や太ももの裏をいったん休ませる時間になります。ただし、「30分ごとにきっちり立つ」と決めても、仕事中はなかなか守れません。だからこの記事では、時間よりも「気づいた瞬間に1分動く」ことをおすすめしています。次の章から、その理由とやり方をお伝えします。

    問題は「長さ」より「気づかないこと」

    座りっぱなしが体に良くない、というのはよく聞く話です。でも、実際に体に起きていることを考えると、時間の長さそのものより、「同じ姿勢のまま気づかずにいること」のほうが影響が大きいと考えられます。

    同じ姿勢を保つために、体のどこかは常に働き続けています。働き続けている場所は、休むタイミングがないまま、こわばっていきます。これは以前お伝えした「がんばらされている側」と同じ話です。

    1時間座っていても、途中で1回体を動かせば、その場所は一度休めます。問題は座る時間ではなく、「動かさない時間」が続くことです。

    同じ姿勢で座り続ける状態と、気づいたら立って姿勢を変え少し動く状態の比較図。小さな休憩をこまめに
    座る時間ではなく、動かさない時間が続くことが問題です

    大きく動く必要はありません

    「運動しなきゃ」と思うと、続きません。1分リセットは、運動ではなく「休ませる」ためのものです。

    • 椅子に座ったまま、肩をぐっと上げてすとんと落とす
    • 座ったまま、体をゆっくり左右に倒す
    • 立ち上がって、大きく息を吐く

    どれも1分もかかりません。効果を出すためというより、「動いていなかったことに気づくため」の動作だと考えてください。力を入れて姿勢を正すより、まず力を抜くほうが先、という考え方とも同じ方向です。

    タイミングは「思い出したとき」でいい

    「1時間ごとに」「30分に1回」と決めると、かえって続きません。タイマーを守ること自体が、新しい負担になってしまうからです。

    もっと簡単な合図で十分です。

    • 飲み物をひと口飲むとき
    • メールや資料をひとつ終えたとき
    • ふと、「あ、座りっぱなしだった」と気づいたとき

    こうした作業の区切りで体をひと動かしすることは、一日の中にメリハリをつくることにもつながります。

    気づいたその瞬間が、いちばんのタイミングです。忘れていた時間の分だけ、体は休めていなかったということですから。

    ついでに、上下の歯がくっついていないかも確かめてみてください。座って集中しているときほど、気づかないうちに噛みしめていることがあります。

    1分リセットの3つの動作。肩を上げて力を抜く、座ってゆっくり左右へ動く、立って自然に息を吐く
    気づいた瞬間が、いちばんのタイミングです

    デスクワークによる肩や腰のつらさが続く方へ。日中の座り方や過ごし方も一緒にうかがいながら、無理なく続けられる整え方を探していきます。今つらいところがある方も、ぜひご相談ください。

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    今日からできること(ひとつだけ)

    「あ、座りっぱなしだった」と気づいたら、その場ですぐ体を動かす。

    肩をすとんと落とす、体を左右に倒す、大きく息を吐く。
    気づいた瞬間を逃さないことが、時間を決めることより大事です。

    よくある質問

    座りっぱなしの腰痛には、ストレッチをしたほうがいい?

    無理のない範囲なら構いませんが、まず先にするのは「立って、息を吐く」です。固まったまま強く伸ばすと、かえって力が入ることがあります。痛みが出るほど伸ばす必要はありません。

    クッションや椅子を変えれば大丈夫?

    座りやすくなる助けにはなります。ただ、どんなに良い椅子でも、同じ姿勢のまま動かなければ、支えている場所は休めません。道具に頼りつつ、こまめに立つことはセットで考えてください。

    ほぐしてもらっても、すぐ腰の張りが戻るのはなぜ?

    毎日の座りっぱなしで、お尻や太ももの裏などの「周り」に、また同じようにこわばりが溜まるからということが多いです。ゆるめることと、日中に1分ずつ休ませることの両方があると、くり返しにくくなっていきます。

    まとめ

    • 座りっぱなしの腰痛は、腰を支える「周り」が働き続けてこわばることから
    • 座りっぱなしで問題なのは「気づかずにいること」
    • 1分リセットは運動ではなく「休ませる」ためのもの
    • タイミングは「思い出したとき」で十分
    • 気づいたら、その場ですぐ体を動かす

    1分の積み重ねが、こわばりを溜め込まない体をつくります。崩れたまま動き続けると、かえって崩れが進むこともあります(整えてから動かす)。行きたいところへ行けて、やりたいことができる体でいるために、まずは気づくところから。

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    ※整体施術は医療行為ではありません。症状の診断や治癒をお約束するものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

  • 「姿勢を正す」より先に、力を抜く|慢性的な肩こりの原因と、肩の力を抜く方法

    「姿勢を正す」より先に、力を抜く|慢性的な肩こりの原因と、肩の力を抜く方法

    「姿勢が悪いよ」と言われて、はっと胸を張る。背すじを伸ばす。

    そして5分後には、元に戻っている。

    これは、意志が弱いからではありません。やり方の順番が逆になっているだけです。

    先に結論をお伝えすると、肩こりが慢性的になるいちばんの原因は、「力が入ったまま」の時間が長く、それが自分では「ふつう」になってしまうことです。慢性化した肩こりの人ほど、どこに力が入っているのか自分では分かりにくく、「抜こう」としても抜けません。だから解消の入口は、もむ強さより先に「抜く」こと。肩の力を抜く方法は、「一度ぐっと上げてから、息を吐きながらすとんと落とす」です。わざと一度力を入れて「入っている」と「抜けた」の差をつくります。正すより先に抜く。この順番の話を、座ったまま10秒でできる確かめ方と一緒にお伝えします。

    この記事でお伝えすること

    • 肩こりが慢性的になるのは、力が入ったままが「ふつう」になるから
    • 肩の力を抜く方法は、一度上げてから、すとんと落とすこと
    • 力を入れて作った姿勢は、力を抜いた瞬間に戻ります
    • 猫背を直そうとして、前も後ろも一緒に力んでいることがあります
    • 先にするのは「正す」ではなく「抜く」
    • 抜けたぶんだけ、姿勢は勝手に起きてきます
    • 座ったまま、10秒で確かめられます

    肩こりが慢性的になる原因は? 力が入ったままが「ふつう」になるから

    慢性的な肩こりは、ある日の重い作業ひとつで起きるというより、毎日の小さな力みが積み重なって起きていることがほとんどです。よくあるのは、次の3つが重なっている形です。

    • 同じ姿勢が続く:パソコンやスマホに向かっていると、肩は少しずつ耳のほうへ上がっていきます
    • 集中や緊張で固まる:歯を食いしばると、首や肩も一緒にこわばります(「いま、上下の歯がくっついていませんか」でくわしく書いています)
    • それが続くと、入っていることに気づかなくなる:力が入ったままが当たり前になり、慢性化していることにも気づきにくくなります

    つまり慢性的な肩こりは、「肩が弱い」のではなく、抜けるタイミングがないまま一日が過ぎている状態です。

    メグルでは、肩だけでなく首の付け根・背中・顎まわりまで手で確かめます。慢性的な肩こりの方ほど、肩そのものより先に、そのまわりが固くなっていることが少なくありません。なお、腕や手のしびれ、手に力が入りにくい、急な強い頭痛、じっとしていてもつらい、といった場合は、まず医療機関にご相談ください。

    慢性的な肩こりは「抜く」から。肩の力を抜く方法は?

    肩こりの人ほど「脱力しよう」としても抜けません。多くの方は、肩に力が入っていること自体に気づいていないからです。パソコンに向かっているとき、スマホを見ているとき、緊張する話をしているとき。肩は少しずつ耳のほうへ上がっていきますが、ずっとその状態だと、それが「ふつう」になってしまいます。

    この状態で「肩の力を抜こう」と意識しても、どこをどう抜けばいいのか分かりません。かえって、抜こうとして別のところに力が入ることもあります。

    だから、やり方は逆です。

    • まず、わざと肩をぐっと上げて、力が入った感覚をはっきりさせる
    • 次に、息を吐きながら、すとんと落とす
    • 落としたあとは、なにもしない(自分で位置を整えない)

    メグルでも、施術の始めに横になった直後は、肩や首に力が入っている方がほとんどです。ご本人は「力は抜いています」と思っていることも少なくありません。それくらい、入っている力は自分では分かりにくいものです。仕事中なら、メールを1通送るたび、電話を切るたびなど、区切りごとに一度「上げて、落とす」を挟んでみてください。

    くわしい確かめ方は、後半の「座ったまま、10秒で確かめられます」でお伝えします。その前に、なぜ「抜く」が先なのかを見ていきます。

    「正しい姿勢」を作ろうとすると、続きません

    胸を張る。肩を後ろに引く。お腹に力を入れる。

    どれも、力を入れて作っている姿勢です。力を入れている間だけ保たれて、気が抜けた瞬間に戻ります。

    しかも、ずっと力を入れ続けることはできません。仕事中に姿勢のことばかり考えているわけにもいきません。だから続かないのは当たり前で、続かないことを自分のせいにする必要はありません。

    力を抜くと、姿勢は勝手に近づきます

    ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

    体はもともと、力が抜けていれば起きてくるようにできています。背骨は積み木のように積み重なっていて、余計な力がかかっていなければ、積み木は自然と安定します。

    猫背になっているとき、体は「たるんでいる」のではなく、どこかが引っぱったまま固まっています。その引っぱりを残したまま、反対側に力を入れて起こそうとすると、どうなるか。

    前も後ろも、両方力んだ状態になります。これが、姿勢を正したあとに妙に疲れる理由です。

    そして、引っぱっているところが、気になっている場所と同じとはかぎりません。背中が丸いのに、原因は股関節まわりだった、ということもあります。この見方については「痛いところだけ触っても戻るのはなぜ|全体と局所」でくわしく書いています。

    だから順番は、まず抜く。それから起こす。前の記事の「整えてから動かす」と、まったく同じ話です。

    姿勢をがんばる前に、力みを確かめる。力を入れて正そうとする場合と、まず余計な力を抜く場合の比較
    がんばりで支える姿勢と、抜けた結果そこにある姿勢は別ものです

    「引き算」してから「足し算」

    力を入れて姿勢を作るのは、足し算です。足し算の前に、引き算をします。

    • 入っている力を抜く(引き算)
    • 抜けたぶん、体が起きてくる
    • そのうえで、必要なら支える力を足す(足し算)

    この順番なら、力を入れ続けなくても保てる姿勢になっていきます。がんばりで支えている姿勢と、抜けた結果そこにある姿勢は、まったく別ものです。

    今つらいところがある方も、ご相談ください。「姿勢を良くしたいけど続かない」という方も、「もう張っていてつらい」という方も、どちらも同じところから始めます。まず、どこに力が残っているかを一緒に確かめます。

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    座ったまま、10秒で確かめられます

    いま椅子に座っているなら、そのまま試してみてください。

    1. 肩を、耳に近づけるようにぐっと上げる(3秒ほど)
    2. 息を吐きながら、すとんと落とす
    3. そのまま、なにもしない

    落としたあと、さっきより肩の位置が下がっていませんか。そして、胸を張ったわけでもないのに、少し起きた感じがしませんか。

    それが「抜けたぶん、起きてきた」状態です。力を入れて作ったものではないので、しばらく保ちます。

    デスクワークで座りっぱなしの日は、この「落とす」をこまめに挟むと、夕方の張り方が変わってきます。ほかにもできることを「座りっぱなしの日の、1分リセット|気づいた瞬間がタイミング」にまとめました。

    座ったまま、肩の力を抜く3ステップ。肩を軽く上げる・息を吐いて下ろす・そのままひと呼吸
    正すより、落とす。10秒で確かめられます

    今日からできること(ひとつだけ)

    「姿勢が悪い」と気づいたら、正さずに、まず落とす。

    胸を張るのをやめて、肩を上げて、すとんと落とす。
    それだけで、正そうとするより自然に起きてきます。

    1日に何度でも構いません。正すより、落とす。これだけ覚えて帰ってください。

    よくある質問

    慢性的な肩こりは、もんだり湿布を貼ったりするだけでは楽にならない?

    もんだり温めたりして、一時的に楽になることはあります。ただ、力が入ったままのクセが残っていると、また同じところに戻ってきやすいもの。楽になったあとに「上げて、すとんと落とす」を挟むと、戻りにくい状態を保ちやすくなります。すぐ戻る理由は「痛いところだけ触っても戻るのはなぜ」でお伝えしています。

    肩こりが慢性化していても、自分では気づかないことはある?

    あります。ずっと力が入っていると、その状態が「ふつう」に感じられるからです。上の10秒の確かめ方で、落としたあとに肩が下がるなら、気づかないうちに力が入っていたサインです。

    慢性的な肩こりは、病院と整体のどちらに行けばいい?

    しびれや手の力の入りにくさ、強い頭痛、じっとしていても痛むといったことがあれば、まず医療機関へ。そうした心配がなく、張りやこわばりをくり返している場合は、整体で力の入り方を一緒に確かめるのもひとつの方法です。

    まとめ

    • 肩こりが慢性的になるのは、力が入ったままが「ふつう」になるから
    • 力を入れて作った姿勢は、抜いた瞬間に戻る
    • 猫背は「たるみ」ではなく、どこかが引っぱったまま固まっている
    • そこへ反対から力を入れると、前も後ろも力む
    • 順番は引き算がさき。抜けたぶん、体は起きてくる
    • 覚えるのは「正すより、落とす」だけ

    力の抜けた姿勢は、疲れません。だから続きます。抜けるタイミングを一日の中に戻していくことが、すぐ戻る肩こりをくり返さない体への近道です。行きたいところへ行けて、やりたいことができる体でいるために、まずは肩をすとんと落とすところから。

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    ※整体施術は医療行為ではありません。症状の診断や治癒をお約束するものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

  • いま、上下の歯がくっついていませんか|食いしばりで肩こりになる理由と、日中の対策

    いま、上下の歯がくっついていませんか|食いしばりで肩こりになる理由と、日中の対策

    この文章を読んでいる今、上下の歯、触れていませんか。

    もし触れていたなら、それは本来の状態ではありません。そして、そのことに気づいていなかった方がほとんどだと思います。

    先に結論をお伝えします。食いしばりで肩がこるのは、顎(あご)を動かす筋肉が首の横から肩へとつながっていて、歯が触れているあいだは首や肩まで力が抜けにくくなるからです。肩だけをもんでもすぐ戻りやすいのはこのため。楽にしていく近道は、歯を離して、息を吐きながら肩ごと力を下ろすことです。

    そして、日中の食いしばりは、ぐっと食いしばることよりも「上下の歯が軽く触れたまま」になっている時間が長いことがほとんどです。パソコンやスマホに集中しているときや、緊張しているときに起こりやすく、対策の第一歩は「やめよう」と頑張ることではなく、触れていることに気づける仕組みをつくり、気づいたら息を吐いて力を抜くことです。

    この記事でお伝えすること

    • 食いしばりで肩がこるのは、顎・首・肩がひとつながりで力むから。肩だけもんでも戻りやすい
    • 日中の食いしばりの多くは、歯が軽く触れたままになっている状態。対策は気づく仕組みづくりから
    • 本来、上下の歯は離れているのが普通です。口を閉じていても2〜3mmの隙間があります
    • 歯が触れている時間は、1日の合計で17分ほどが目安といわれています
    • 強く食いしばっていなくても、触れているだけで筋肉は疲れます
    • 顎まわりのこわばりは、肩や頭のつらさと一緒に来ることが多い
    • いちばん難しいのは、自分が食いしばっていることに気づくこと

    食いしばりで肩こりになる? 顎・首・肩は「ひとつながり」で力が入るから

    食いしばりと肩こりは、別々の悩みに見えて、根っこがつながっていることが少なくありません。理由は3つあります。

    • 筋肉がつながっている:顎を動かす筋肉は、こめかみから頬、首の横へとつながり、首や肩の筋肉と一緒に働きます
    • 歯が触れると、首や肩も身構える:上下の歯が合わさると、頭を支える首の後ろや肩にも自然と力が入ります
    • 休ませるタイミングがない:食いしばっている自覚がないので、肩の力も抜けないまま何時間も過ぎてしまいます

    だから、肩をもんで一時的に楽になっても、歯が触れたままの時間が長いと、またすぐ張りが戻ってきます。張っている場所だけでなく、張らされている元に目を向ける考え方は、痛いところだけ触っても戻るのはなぜ|全体と局所でくわしくお伝えしています。

    メグルの施術でも、肩こりがすぐ戻るという方ほど、肩より先に顎まわりや首の付け根が固まっていることが少なくありません。なお、口が開けにくい・顎が痛む・しびれがあるといった場合は、整体より先に歯科医院や医療機関にご相談ください。

    顎まわりのこわばりを自分でゆるめるやり方を、1分ほどの動画にしています。あごの先の下と、耳の前(あごの関節)を押さえて、口をゆっくり開け閉めするだけです。

    日中の食いしばりの原因と対策は? 「触れたまま」の時間を減らすこと

    日中の食いしばりで多いのは、強く噛む場面より、上下の歯がそっと触れたまま過ごしている時間です。本人に噛んでいる自覚がないので、「自分は食いしばっていない」と思っている方がほとんどです。

    起こりやすいのは、こんなときです。

    • パソコンやスマホの画面に集中しているとき
    • 考えごとや、急ぎの作業をしているとき
    • 緊張する場面や、気を張っているとき
    • 重いものを持つなど、体に力を入れているとき

    対策は、大きく分けて2つです。

    1. 気づく仕組みをつくる:意識だけで覚えておくのは難しいので、目に入るものに思い出させてもらう(やり方は後半の「今日からできること」でお伝えします)
    2. 気づいたら、顎だけでなく体ごと力を抜く:息を吐いて、肩ごと下ろす

    マウスピースやガムなどの対策グッズについては、歯やかみ合わせの状態によって合う・合わないがあるので、歯科医院でご相談ください。

    メグルの施術では、肩や首をゆるめたあとに、こめかみや顎のまわりにも手を当てて、力が抜けているかを確かめています。肩はゆるんでいるのに、顎まわりだけ固いままという方は少なくありません。そこに気づいていただくだけでも、日中の過ごし方が変わるきっかけになります。

    本来、歯は「離れている」のが普通です

    意外に思われるかもしれませんが、何もしていないとき、上下の歯は接触していません。口を閉じていても、歯と歯のあいだには2〜3mmほどの隙間があるのが普通の状態です。

    歯が接触するのは、食事のときと、会話のとき。それを全部合わせても、1日で17分ほどといわれています。24時間のうちの17分です。

    ところが、パソコンに向かっているとき、スマホを見ているとき、考えごとをしているとき。気づかないうちに、上下の歯を合わせたまま過ごしている方がとても多いのです。

    何もしていないとき、上下の歯は?そっと離れている状態と、触れたままになっている状態の比較
    触れているだけでも、顎を動かす筋肉は休めません

    強く食いしばっていなくても、筋肉は疲れます

    「食いしばり」と聞くと、ぐっと力を入れて食いしばる場面を思い浮かべる方が多いと思います。

    でも実際は、そこまで強い力でなくても、上下の歯が触れている程度で、顎を動かす筋肉には緊張と疲れが生じます。

    本来1日17分のはずの接触が、何時間も続いていたらどうなるか。力を入れているつもりがないぶん、休ませるタイミングもありません。

    頭の重さまで一緒に来ることも

    顎を動かす筋肉は、こめかみから頬、そして首の横へとつながっています。ここがこわばったままだと、その周辺も一緒に力が抜けにくくなります。

    実際、食いしばりのクセがある方は、肩のこりや頭の重さを一緒に感じていることが多いといわれています。

    肩こりと頭の重さが毎回セットで来る方は、肩こりと頭痛が一緒に来る人へ|顎まわりという盲点もあわせてお読みください。

    あごまわりの力みにも目を向ける。あごまわり・こめかみ・首や肩のつながり
    顎を動かす筋肉は、こめかみから頬、首の横へとつながっています

    今つらいところがある方も、ご相談ください。肩や首の張りが続いているとき、顎まわりを一緒に見ていくことがあります。ご自身では気づきにくい場所なので、一度確認してみるだけでも違います。

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    いちばん難しいのは「気づくこと」

    ここが本題です。

    食いしばりは、気づくのが本当に難しいクセです。痛みが出ているわけではないので、意識にのぼりません。「気をつけよう」と思っても、5分後には忘れています。

    ひとつ、覚えておいていただきたいことがあります。リラックスしているときは、上下の歯は自然に離れています。逆に、緊張すると顔の筋肉もこわばり、上下の歯が合わさりやすくなります。

    つまり、歯が触れていることに気づけたら、それは「今、力が入っている」というサインでもあります。体の状態を知る手がかりになる、ということです。

    気づいた瞬間こそがいちばんのタイミングです。この考え方は、座りっぱなしの日の、1分リセット|気づいた瞬間がタイミングでもお伝えしています。

    今日からできること(ひとつだけ)

    よく目に入るところに、小さな目印を貼る。

    パソコンの端、スマホのケース、冷蔵庫、洗面所の鏡。
    シールでも、マスキングテープの切れ端でも構いません。
    それが目に入ったら、歯が触れていないか確かめて、触れていたら離す。それだけです。

    意志の力で覚えておくのは無理があります。だから、目に入るものに思い出させてもらうという方法をとります。

    そして、離すときのコツがひとつ。顎だけ開けようとせず、息を吐いて、肩ごと力を下ろしてください。顎だけ動かしても、また戻ってしまいます。

    「力を抜く」こと自体がうまくできないと感じる方は、「姿勢を正す」より先に、力を抜くもあわせてお読みください。

    目印を見たら、ひと息。目印に気づく・歯の接触を確かめる・息を吐いて力を抜くの3ステップ
    目に入るものに、思い出させてもらいます

    よくある質問

    食いしばりからくる肩こりは、マッサージやストレッチで楽になりますか?

    その場では楽になることもあります。ただ、歯が触れたままの時間が長いと、肩はまた張りやすくなります。ほぐしたあとに「歯を離して、息を吐く」をセットにすると、戻りにくさが変わってきます。

    寝ているあいだの食いしばりも、肩こりに関係しますか?

    朝起きたときに顎やエラ、首筋が疲れている方は、寝ているあいだに力が入っていることがあります。寝ているあいだのことはご自身では止めにくいので、マウスピースなどは歯科医院でご相談ください。日中に力を抜く時間を増やしておくことは、どなたにもできる備えです。

    食いしばりのクセは、整体でみてもらえますか?

    歯やかみ合わせそのものは歯科の領域です。メグルでは、顎まわりから首・肩・背中までのこわばりを、全体から確かめて整えます。ご自身では気づきにくい力みに気づくきっかけとして、ご相談ください。

    まとめ

    • 食いしばりで肩がこるのは、顎・首・肩がひとつながりで力むから
    • 本来、上下の歯は離れている。接触は1日17分ほどが目安
    • 強く噛まなくても、触れているだけで筋肉は疲れる
    • 顎のこわばりは、肩や頭のつらさと一緒に来ることが多い
    • 難しいのは気づくこと。目印を貼って、思い出させてもらう
    • 離すときは息を吐いて、肩ごと下ろす

    顎の力が抜けると、上を向くのも、深く息を吸うのも楽になります。すぐ戻る肩こりを、くり返さない体へ。行きたいところへ行けて、やりたいことができる体でいるために、まずは今、歯を離すところから。

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