この文章を読んでいる今、上下の歯、触れていませんか。
もし触れていたなら、それは本来の状態ではありません。そして、そのことに気づいていなかった方がほとんどだと思います。
先に結論をお伝えします。食いしばりで肩がこるのは、顎(あご)を動かす筋肉が首の横から肩へとつながっていて、歯が触れているあいだは首や肩まで力が抜けにくくなるからです。肩だけをもんでもすぐ戻りやすいのはこのため。楽にしていく近道は、歯を離して、息を吐きながら肩ごと力を下ろすことです。
そして、日中の食いしばりは、ぐっと食いしばることよりも「上下の歯が軽く触れたまま」になっている時間が長いことがほとんどです。パソコンやスマホに集中しているときや、緊張しているときに起こりやすく、対策の第一歩は「やめよう」と頑張ることではなく、触れていることに気づける仕組みをつくり、気づいたら息を吐いて力を抜くことです。
この記事でお伝えすること
- 食いしばりで肩がこるのは、顎・首・肩がひとつながりで力むから。肩だけもんでも戻りやすい
- 日中の食いしばりの多くは、歯が軽く触れたままになっている状態。対策は気づく仕組みづくりから
- 本来、上下の歯は離れているのが普通です。口を閉じていても2〜3mmの隙間があります
- 歯が触れている時間は、1日の合計で17分ほどが目安といわれています
- 強く食いしばっていなくても、触れているだけで筋肉は疲れます
- 顎まわりのこわばりは、肩や頭のつらさと一緒に来ることが多い
- いちばん難しいのは、自分が食いしばっていることに気づくこと
食いしばりで肩こりになる? 顎・首・肩は「ひとつながり」で力が入るから
食いしばりと肩こりは、別々の悩みに見えて、根っこがつながっていることが少なくありません。理由は3つあります。
- 筋肉がつながっている:顎を動かす筋肉は、こめかみから頬、首の横へとつながり、首や肩の筋肉と一緒に働きます
- 歯が触れると、首や肩も身構える:上下の歯が合わさると、頭を支える首の後ろや肩にも自然と力が入ります
- 休ませるタイミングがない:食いしばっている自覚がないので、肩の力も抜けないまま何時間も過ぎてしまいます
だから、肩をもんで一時的に楽になっても、歯が触れたままの時間が長いと、またすぐ張りが戻ってきます。張っている場所だけでなく、張らされている元に目を向ける考え方は、痛いところだけ触っても戻るのはなぜ|全体と局所でくわしくお伝えしています。
メグルの施術でも、肩こりがすぐ戻るという方ほど、肩より先に顎まわりや首の付け根が固まっていることが少なくありません。なお、口が開けにくい・顎が痛む・しびれがあるといった場合は、整体より先に歯科医院や医療機関にご相談ください。
顎まわりのこわばりを自分でゆるめるやり方を、1分ほどの動画にしています。あごの先の下と、耳の前(あごの関節)を押さえて、口をゆっくり開け閉めするだけです。
日中の食いしばりの原因と対策は? 「触れたまま」の時間を減らすこと
日中の食いしばりで多いのは、強く噛む場面より、上下の歯がそっと触れたまま過ごしている時間です。本人に噛んでいる自覚がないので、「自分は食いしばっていない」と思っている方がほとんどです。
起こりやすいのは、こんなときです。
- パソコンやスマホの画面に集中しているとき
- 考えごとや、急ぎの作業をしているとき
- 緊張する場面や、気を張っているとき
- 重いものを持つなど、体に力を入れているとき
対策は、大きく分けて2つです。
- 気づく仕組みをつくる:意識だけで覚えておくのは難しいので、目に入るものに思い出させてもらう(やり方は後半の「今日からできること」でお伝えします)
- 気づいたら、顎だけでなく体ごと力を抜く:息を吐いて、肩ごと下ろす
マウスピースやガムなどの対策グッズについては、歯やかみ合わせの状態によって合う・合わないがあるので、歯科医院でご相談ください。
メグルの施術では、肩や首をゆるめたあとに、こめかみや顎のまわりにも手を当てて、力が抜けているかを確かめています。肩はゆるんでいるのに、顎まわりだけ固いままという方は少なくありません。そこに気づいていただくだけでも、日中の過ごし方が変わるきっかけになります。
本来、歯は「離れている」のが普通です
意外に思われるかもしれませんが、何もしていないとき、上下の歯は接触していません。口を閉じていても、歯と歯のあいだには2〜3mmほどの隙間があるのが普通の状態です。
歯が接触するのは、食事のときと、会話のとき。それを全部合わせても、1日で17分ほどといわれています。24時間のうちの17分です。
ところが、パソコンに向かっているとき、スマホを見ているとき、考えごとをしているとき。気づかないうちに、上下の歯を合わせたまま過ごしている方がとても多いのです。

強く食いしばっていなくても、筋肉は疲れます
「食いしばり」と聞くと、ぐっと力を入れて食いしばる場面を思い浮かべる方が多いと思います。
でも実際は、そこまで強い力でなくても、上下の歯が触れている程度で、顎を動かす筋肉には緊張と疲れが生じます。
本来1日17分のはずの接触が、何時間も続いていたらどうなるか。力を入れているつもりがないぶん、休ませるタイミングもありません。
頭の重さまで一緒に来ることも
顎を動かす筋肉は、こめかみから頬、そして首の横へとつながっています。ここがこわばったままだと、その周辺も一緒に力が抜けにくくなります。
実際、食いしばりのクセがある方は、肩のこりや頭の重さを一緒に感じていることが多いといわれています。
肩こりと頭の重さが毎回セットで来る方は、肩こりと頭痛が一緒に来る人へ|顎まわりという盲点もあわせてお読みください。

今つらいところがある方も、ご相談ください。肩や首の張りが続いているとき、顎まわりを一緒に見ていくことがあります。ご自身では気づきにくい場所なので、一度確認してみるだけでも違います。
いちばん難しいのは「気づくこと」
ここが本題です。
食いしばりは、気づくのが本当に難しいクセです。痛みが出ているわけではないので、意識にのぼりません。「気をつけよう」と思っても、5分後には忘れています。
ひとつ、覚えておいていただきたいことがあります。リラックスしているときは、上下の歯は自然に離れています。逆に、緊張すると顔の筋肉もこわばり、上下の歯が合わさりやすくなります。
つまり、歯が触れていることに気づけたら、それは「今、力が入っている」というサインでもあります。体の状態を知る手がかりになる、ということです。
気づいた瞬間こそがいちばんのタイミングです。この考え方は、座りっぱなしの日の、1分リセット|気づいた瞬間がタイミングでもお伝えしています。
今日からできること(ひとつだけ)
よく目に入るところに、小さな目印を貼る。
パソコンの端、スマホのケース、冷蔵庫、洗面所の鏡。
シールでも、マスキングテープの切れ端でも構いません。
それが目に入ったら、歯が触れていないか確かめて、触れていたら離す。それだけです。
意志の力で覚えておくのは無理があります。だから、目に入るものに思い出させてもらうという方法をとります。
そして、離すときのコツがひとつ。顎だけ開けようとせず、息を吐いて、肩ごと力を下ろしてください。顎だけ動かしても、また戻ってしまいます。
「力を抜く」こと自体がうまくできないと感じる方は、「姿勢を正す」より先に、力を抜くもあわせてお読みください。

よくある質問
食いしばりからくる肩こりは、マッサージやストレッチで楽になりますか?
その場では楽になることもあります。ただ、歯が触れたままの時間が長いと、肩はまた張りやすくなります。ほぐしたあとに「歯を離して、息を吐く」をセットにすると、戻りにくさが変わってきます。
寝ているあいだの食いしばりも、肩こりに関係しますか?
朝起きたときに顎やエラ、首筋が疲れている方は、寝ているあいだに力が入っていることがあります。寝ているあいだのことはご自身では止めにくいので、マウスピースなどは歯科医院でご相談ください。日中に力を抜く時間を増やしておくことは、どなたにもできる備えです。
食いしばりのクセは、整体でみてもらえますか?
歯やかみ合わせそのものは歯科の領域です。メグルでは、顎まわりから首・肩・背中までのこわばりを、全体から確かめて整えます。ご自身では気づきにくい力みに気づくきっかけとして、ご相談ください。
まとめ
- 食いしばりで肩がこるのは、顎・首・肩がひとつながりで力むから
- 本来、上下の歯は離れている。接触は1日17分ほどが目安
- 強く噛まなくても、触れているだけで筋肉は疲れる
- 顎のこわばりは、肩や頭のつらさと一緒に来ることが多い
- 難しいのは気づくこと。目印を貼って、思い出させてもらう
- 離すときは息を吐いて、肩ごと下ろす
顎の力が抜けると、上を向くのも、深く息を吸うのも楽になります。すぐ戻る肩こりを、くり返さない体へ。行きたいところへ行けて、やりたいことができる体でいるために、まずは今、歯を離すところから。
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今つらいところがある方も、整えておきたいという方も承っています。
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※整体施術は医療行為ではありません。症状の診断や治癒をお約束するものではありません。歯やかみ合わせそのもののご相談は歯科医院へ、気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
