「姿勢が悪いよ」と言われて、はっと胸を張る。背すじを伸ばす。
そして5分後には、元に戻っている。
これは、意志が弱いからではありません。やり方の順番が逆になっているだけです。
この記事でお伝えすること
- 力を入れて作った姿勢は、力を抜いた瞬間に戻ります
- 猫背を直そうとして、前も後ろも一緒に力んでいることがあります
- 先にするのは「正す」ではなく「抜く」
- 抜けたぶんだけ、姿勢は勝手に起きてきます
- 座ったまま、10秒で確かめられます
「正しい姿勢」を作ろうとすると、続きません
胸を張る。肩を後ろに引く。お腹に力を入れる。
どれも、力を入れて作っている姿勢です。力を入れている間だけ保たれて、気が抜けた瞬間に戻ります。
しかも、ずっと力を入れ続けることはできません。仕事中に姿勢のことばかり考えているわけにもいきません。だから続かないのは当たり前で、続かないことを自分のせいにする必要はありません。
力を抜くと、姿勢は勝手に近づきます
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
体はもともと、力が抜けていれば起きてくるようにできています。背骨は積み木のように積み重なっていて、余計な力がかかっていなければ、積み木は自然と安定します。
猫背になっているとき、体は「たるんでいる」のではなく、どこかが引っぱったまま固まっています。その引っぱりを残したまま、反対側に力を入れて起こそうとすると、どうなるか。
そして、引っぱっているところが、気になっている場所と同じとはかぎりません。背中が丸いのに、原因は股関節まわりだった、ということもあります。この見方については「痛いところだけ触っても戻るのはなぜ|全体と局所」でくわしく書いています。
前も後ろも、両方力んだ状態になります。これが、姿勢を正したあとに妙に疲れる理由です。
だから順番は、まず抜く。それから起こす。前の記事の「整えてから動かす」と、まったく同じ話です。

「引き算」してから「足し算」
力を入れて姿勢を作るのは、足し算です。足し算の前に、引き算をします。
- 入っている力を抜く(引き算)
- 抜けたぶん、体が起きてくる
- そのうえで、必要なら支える力を足す(足し算)
この順番なら、力を入れ続けなくても保てる姿勢になっていきます。がんばりで支えている姿勢と、抜けた結果そこにある姿勢は、まったく別ものです。
今つらい方も、ご相談ください。「姿勢を良くしたいけど続かない」という方も、「もう張っていてつらい」という方も、どちらも同じところから始めます。まず、どこに力が残っているかを一緒に確かめます。
座ったまま、10秒で確かめられます
いま椅子に座っているなら、そのまま試してみてください。
- 肩を、耳に近づけるようにぐっと上げる(3秒ほど)
- 息を吐きながら、すとんと落とす
- そのまま、なにもしない
落としたあと、さっきより肩の位置が下がっていませんか。そして、胸を張ったわけでもないのに、少し起きた感じがしませんか。
それが「抜けたぶん、起きてきた」状態です。力を入れて作ったものではないので、しばらく保ちます。
デスクワークで座りっぱなしの日は、この「落とす」をこまめに挟むと、夕方の張り方が変わってきます。ほかにもできることを「座りっぱなしの日の、1分リセット|気づいた瞬間がタイミング」にまとめました。

今日からできること(ひとつだけ)
「姿勢が悪い」と気づいたら、正さずに、まず落とす。
胸を張るのをやめて、肩を上げて、すとんと落とす。
それだけで、正そうとするより自然に起きてきます。
1日に何度でも構いません。正すより、落とす。これだけ覚えて帰ってください。
まとめ
- 力を入れて作った姿勢は、抜いた瞬間に戻る
- 猫背は「たるみ」ではなく、どこかが引っぱったまま固まっている
- そこへ反対から力を入れると、前も後ろも力む
- 順番は引き算がさき。抜けたぶん、体は起きてくる
- 覚えるのは「正すより、落とす」だけ
力の抜けた姿勢は、疲れません。だから続きます。行きたいところへ行けて、やりたいことができる体でいるために、まずは肩をすとんと落とすところから。
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※整体施術は医療行為ではありません。症状の診断や治癒をお約束するものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

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